投稿日:2021.9.28
歯科用アンカースクリューってなに?
歯列矯正ではメインの装置とは別に特殊な器具や装置を使用することがあり、アンカースクリューもその一つです。見た目や使い方がメインの装置とは大きく異なるため、心配になる方も少なくありません。
こちらのページでは、アンカースクリューの特徴や適応症例、メリット・デメリットなどについて分かりやすくまとめました。アンカースクリューを提案されて迷っている方はもちろん、矯正治療をご検討中の方もぜひご参考ください。
目次
歯列矯正で使用するアンカースクリューとは?

歯並びや噛み合わせの状態によっては、メインの装置以外に特殊な器具を使用するケースもあります。その一つであるアンカースクリューは、新たな固定源として使用する小さなネジのようなもので、顎骨に埋め込んで使用するため矯正用インプラントと呼ばれることもあります。生体親和性の高いチタン合金製で、直径は1.4~2㎜、長さは6~10㎜ほどです。虫歯や歯周病などで歯を失った部位に行う一般的なインプラント治療とは見た目も用途も異なるので、間違えないようにしましょう。
アンカースクリューを使うとどう変わる?得られるメリット
一般的な矯正治療では前歯を後ろに引くときに奥歯を固定源とするケースがほとんどですが、前歯だけでなく奥歯の位置も前方に移動する傾向にあります。
歯並びの状態によっては奥歯の位置は変えずに前歯のみを移動させるほうがいい場合もあり、奥歯に影響しない別の固定源が必要になります。アンカースクリューは適切な位置に固定源を作ることができ、その分効率的に治療をすすめられるのが特徴です。理想的な仕上がりになりやすく、治療期間の延長のリスクを抑えらえるという点も大きなメリットといえるでしょう。
アンカースクリューを使う可能性が高い症例について

特殊な器具であるアンカースクリューは、すべての症例に使われるものではありません。対象の症例であっても歯並びの状態によっては使用しないこともあります。
アンカースクリューが必要になりやすい症例は以下のとおりです。
重度の出っ歯
重度の出っ歯は、前歯を後ろに引く時間が長い傾向にあり、その分奥歯のグラつきや前方移動がおこるリスクが高めです。奥歯に影響しない新たな固定源を作ることでそのリスクを回避でき、調整にかかる時間を少なくできます。
一番奥の歯の後方移動が必要なケース
奥の空いているスペース付近に新たな固定源を作ることで、一番奥の歯をさらに後ろへと動かせられます。
ガミースマイル
ガミースマイルの原因はいくつか存在し、歯の見える範囲が広いことが原因であれば歯ぐきのなかに歯の一部を埋め込む「圧下」という動かし方が向いている場合があります。
圧下をするには歯ぐきの方向に圧をかける必要がありますが、通常の装置のみでは時間がかかってしまうため、治療期間の延長につながるケースが珍しくありません。新たな固定源を作って垂直方向にしっかり圧がかかるようにすることで、治療期間の延長につながるリスクを抑えられます。
アンカースクリューの使用期間について
アンカースクリューの使用期間は埋入後半年から1年程度で、目的の歯が理想の位置に移動したあとに撤去するのが一般的です。
歯ぐきの傷口は一週間程度で消え、埋め込んだ跡が残る心配もありません。
使用するときの注意点やデメリットはあるのか
アンカースクリューはとても便利な器具ですが、以下の点に注意する必要があります。デメリットを事前に理解することで納得のいく治療につながりやすくなるでしょう。
軽い外科処置が必要
アンカースクリューを歯ぐきに埋め込むための軽い外科処置が必要です。事前に麻酔をするため手術中の痛みはありません。基本的に処方される薬で対処可能ですので過度な心配はいりません。
丁寧なお手入れが必要不可欠
アンカースクリューを埋め込むことで出っ張りができ、その周囲には汚れがたまりやすくなります。汚れを放置すると歯ぐきが腫れてアンカースクリューの脱落や痛みが強まる可能性があるため、丁寧なお手入れが欠かせません。
柔らかめの歯ブラシを使ってアンカースクリューの周辺も磨くことで、歯ぐきを傷つけずにお手入れができます。アンカースクリューが脱落した場合は、再度外科手術をして埋めなおさなくてはいけません。負担を最小限にするためにも忘れずにお手入れをしましょう。
アンカースクリューはワイヤー矯正限定の器具?
アンカースクリューはワイヤー矯正でのみ使用すると思われがちですが、実際はマウスピース型矯正でも対応可能です。しかし、抜歯が必要なケースや重度の症例の場合は、歯を計画どおりに動かしやすいワイヤー矯正を選択されることが多い傾向にあります。
不適切な治療法を選択すると歯が計画どおりに動かずに、治療期間の延長や満足度の低い結果にもつながりやすいため注意しましょう。適切な治療法を決めるには精密検査が必要です。
ワイヤー矯正の種類について
表側矯正

歯の表面にブラケットとよばれる装置を貼り付けて、そこにワイヤーをとおして歯を動かす方法です。
1本1本の歯に装置がつくため理想どおりに動かしやすく、固定式で装着時間を気にする必要がありません。軽度から重度の症例まで幅広く対応しやすいのも、大きなメリットといえるでしょう。
「装置が人目につきやすい」という欠点がありますが、最近では白や透明な装置も増えており、選択しやすくなっています。
裏側矯正(舌側矯正)

歯の裏面に装置を貼り付けて歯を動かす方法です。
ワイヤー矯正の強みを活かせるだけでなく、表側矯正の「装置が人目につきやすい」という欠点が改良されています。お顔の印象を変えずに歯並びや噛み合わせを整えたい方や、目立ちにくいマウスピース型矯正の選択が難しいというケースにおすすめです。
装置が舌に触れやすいため、感覚に慣れるまでは発音や滑舌が悪くなることがあります。一時的なケースが多いですが、接客業や会話がメインのお仕事をされている方は少し注意が必要です。また、表側矯正よりも高い知識や技術が求められる治療法であるため、取り扱っている歯科医院が少なく、かつ費用が高く設定されている傾向にあります。
ハーフリンガル矯正

上顎を裏側矯正で、下顎を表側矯正で行う方法です。
両方の欠点を改良したもので、上下を裏側矯正(舌側矯正)で行うよりも費用を安く抑えられる傾向にあります。
基本的に裏側矯正(舌側矯正)を取り扱っていない歯科医院では受けられません。気になる方は事前に確認することをおすすめします。
アンカースクリューのトラブルがおこったときの対処法
アンカースクリュー周辺の歯ぐきが腫れて痛みがでたり脱落したりした場合は、できるだけ早めに歯科医院へご相談ください。放置すると痛みが強くなったり歯への力のかかり方が変わって計画どおりに治療がすすまなくなったりする可能性があります。
アンカースクリューでスピーディーに理想の歯並びへ
アンカースクリューは治療をよりスムーズにすすめるための器具であり、中等度や重度の症例で使われるケースがほとんどです。外科手術が必要になりますが、数分で終わる軽い処置なので過度な心配はいりません。「治療期間の延長を避けたい」「理想どおりに仕上げたい」という方にとっては、とくに役立つ器具といえるでしょう。
アンカースクリューが必要かどうかは、精密検査の結果や歯の動き具合によって決まります。「かならずしも必要ない」というわけではありませんので、特徴やメリット・デメリットなどは正しく理解しておくようにしましょう。よりくわしく知りたい方は、お気軽に当院までご相談ください。
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