投稿日:2023.8.12
歯科矯正でアレルギー症状を引き起こすことはあるの?
「金属アレルギーがあるけれど、矯正治療は受けられるの?」
「矯正中にアレルギー症状が出たらどうしよう…」
このような不安を抱えている方は、少なくありません。
従来の矯正治療では金属製のブラケットやワイヤーが主流でしたが、現在は金属を使わない治療の選択肢も豊富にあります。
アレルギー体質の方でも適切な方法を選べば、美しい歯並びを手に入れることは十分可能です。
福岡・博多で矯正をお考えの皆様にとって、アレルギーに関する正しい知識をもつことは安全な治療への第一歩です!
今回は、矯正治療におけるアレルギーの実態から最新の対処法まで、詳しく解説していきます。
目次
歯科で起こる可能性の高いアレルギー
口の中は粘膜に覆われた敏感な部位であり、さまざまな物質によるアレルギー反応が生じやすい部位です。
特に、長期間装着する矯正装置では以下のようなアレルギー要因に注意が必要ですので事前に確認しておきましょう!
金属によるアレルギー反応

歯科領域で最も頻繁に起こる問題となるのが金属アレルギーです。
口腔内の唾液により金属イオンが溶け出し、これが体内に蓄積されることでアレルギー症状を引き起こします。
どんな物質が影響あるか、まとめてみました。
- ニッケル
矯正装置に多用される金属で、最もアレルギー頻度が高い物質
アクセサリーなどでも感作されやすく、女性に多く見られます
- クロム
ステンレス製品の主成分として含まれ、接触部位に炎症を起こしやすい特徴があります
- コバルト
合金として利用され、皮膚や粘膜に持続的な刺激を与える可能性があります
- パラジウム
貴金属アレルギーの代表格で、全身への影響も報告されています
樹脂・ゴム材料
金属以外でも、以下の材料がアレルギーを引き起こすことがあります。
- ラテックス
天然ゴム製品に含まれており、重篤な反応を示すケースもあります
- アクリル系樹脂
透明な装置や接着剤に使用される化学物質
- シリコン
マウスピースなどの柔軟な材料
部位別で起こる主なアレルギー症状
歯科の領域でも、これだけのアレルギー物質があると思うと、怖く感じるかもしれません。
これらの物質から、実際にどのようなアレルギー症状が起こるのでしょうか?
矯正治療だけではなく歯科領域ではアレルギー症状は多岐にわたり、軽微なものから日常生活に支障をきたすレベルまでさまざまです。
口腔内に現れるアレルギー症状
①粘膜の炎症
装置や器具が接触する部分の粘膜が赤く腫れ、痛みを伴います。
通常の装置による擦れとは異なり、治りが悪く範囲が広がる傾向にあります。
②潰瘍形成
重度の場合、粘膜に深い傷ができることが多く、食事や会話が困難になることがあります。
③舌・歯肉の腫れ
舌や歯茎が全体的に腫れぼったくなり、違和感が続きます。
④口の乾燥
唾液の分泌量が減少し、口のなかがカラカラに乾いた状態が続きます。
⑤味覚異常
金属味が口に残ったり、食べ物の味がおかしく感じられたりします。
口周りの皮膚症状
①接触性皮膚炎
口周りに赤い発心や水ぶくれができ、強いかゆみを伴います。
②湿疹
慢性的な皮膚炎で、カサカサした状態が長期間続きます。
③色素沈着
炎症が治ったあとに茶色いシミのような跡が残ることがあります。
全身に及ぶ症状
①呼吸器への影響
喘息のような症状、咳、息切れなどが現れる場合があります。
②消火器症状
原因不明の胃痛、吐き気、下痢などが続くケースがあります。
③全身倦怠感
慢性的な疲労感や体調不良が継続します。
④頭痛・めまい
金属の蓄積により、神経系に影響が出ることがあります。
症状の時期的特徴
金属アレルギーは遅発型反応が主体で、接触からおよそ24~72時間後に症状が現れるのが特徴です。
そのため、装置を付けた直後は問題なくても数日後から徐々に症状が現れることが多く見られます。
歯科矯正でアレルギー症状は起こるの?

では、本題です。
歯科矯正でアレルギー症状は起こるのでしょうか?
結論から言うと、矯正治療においてアレルギー症状が発生する可能性は十分にあります。
特に従来型のワイヤー矯正では、アレルギーのリスクが高い傾向です。
なぜ、そこまでリスクが高いのかというと、以下の要因が理由に挙げられます。
矯正治療特有のリスク要因
①装着期間が長い
一般的な矯正治療は、2~3年間継続することになるため、金属との長期接触によってアレルギーが発症・悪化しやすいといえます。
②複数の金属使用
ブラケットやワイヤー、結紮線、バンドなど、ワイヤー矯正ではさまざまな金属部品を同時に使用します。
複数の金属が一気に口内に入ることで、リスクが高くなるでしょう。
③機械的刺激と相乗効果
矯正装置による物理的な刺激によって粘膜のバリア機能が低下しやすく、それによりアレルギー物質の侵入が促進されます。
④口腔内環境の変化
矯正装置を装着すると、清掃しにくくなります。
そうなると口腔内の細菌バランスが変化しやすく、歯茎など軟組織が炎症を起こしやすくなります。
ホルモン変化の影響
女性の場合、妊娠や出産、生理周期などによるホルモンバランスの変化も影響を受けます。
たとえば、新しいアレルギーを発症したり、既存のアレルギーが悪化したりするケースもあるのです。
こうした女性特有のリスクに関しても、当院ではできる限りのサポートをいたします。
既存治療との相互作用
すでに口腔内に銀歯や金属製の被せ物がある場合、異なる金属間で「電池効果」と呼ばれる現象が生じることがあります。
この現象は、異なる金属同士が接触したときに電流が生じる現象のことです。
電池効果が発生すると、金属イオンの溶出が加速される可能性があるでしょう。
安心安全な矯正治療はあるの?

ここまで矯正治療においてアレルギーが発生する可能性について紹介してきましたが、ここまでお読みいただいた方はきっとこう思うはず。
「こんなにアレルギーの可能性が高いなら矯正治療できないじゃん!」
ですが、ご安心ください!
歯科矯正は、必ずしもアレルギーを発症する治療ではありません。
アレルギーをお持ちの方でも安心安全な治療をすることが可能です。
ここでは、アレルギー体質の方にも安心して受けられる矯正治療法について紹介していきましょう。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを使用して歯を並べていく矯正治療です。
金属アレルギーをお持ちの方にとって理想的な治療だといえます。
主な特徴を項目ごとにまとめましたので、チェックしてみてください!
〈安全性の特徴〉
- 医療用プラスチック製で金属完全不使用
- 取り外し可能のため、清掃は容易
- 段階的な歯の移動で負担が少ない
〈治療効果〉
- 軽度~中等度の症例に適応
- 予測性の高い治療効果が期待できる
- 治療期間もワイヤー矯正と同等
〈日常生活におけるメリット〉
- 食事制限なし
- 見た目への影響が最小限
- 講演やスポーツ、楽器演奏にも支障なし
セラミックを使用した矯正治療
金属の代わりにセラミック(陶材)を使用したブラケット治療も金属アレルギーをお持ちの方には有効です。
〈材質の特性〉
- 生体親和性に優れた陶材使用
- 金属アレルギーのリスク回避
- 歯の色に近い自然な見た目
〈適応範囲〉
- 複雑な歯並びにも対応可能
- 抜歯症例でも使用可能
- 治療精度が高い
自分に当てはまる適切な治療法を知りたい方は、矯正専門医に相談してみましょう!
不安な人は事前のアレルギー検査がおすすめ

アレルギーが出るかも?と不安な方は、治療開始前に検査を受けることをおすすめします。
それにより、安全で確実な矯正治療が可能です。
パッチテスト
パッチテストは、金属の試薬を含んだパッチを背中や上腕に48時間張りつけてアレルギー反応が出るかを確認する検査です。
金属アレルギーの診断において最も信頼性が高く、多くの医療機関で実施しています。
血液検査
血液検査は、採取した血液中の白血球を培養して、そこに金属イオンを加えてアレルギー反応が出るか調べる検査です。
この検査はDLST(リンパ球刺激試験)とも呼ばれ、パッチテストを補完する重要な検査としても位置づけられています。
※パッチテストや血液検査は当院では行っていないため、最寄りの病院へ受診をお願いしております。
アレルギーが心配な方は当院にご相談ください
アレルギー体質をお持ちの方でも現代の矯正歯科技術によって、安全で効果的な治療を受けられるようになりました。
大切なのは、個々の患者様の状況に応じた最適な治療法を選択することです。
博多矯正歯科KITTE博多院では、お一人おひとりの体質や希望に合わせた最適な治療法をご提案し、安全で快適な矯正治療を実現いたします。
アレルギー体質でも矯正治療を諦める必要はありません!
健康で美しい笑顔を手に入れるため、まずは一歩を踏み出すキッカケになっていただけると幸いです。
みなさまからのご予約を心よりお待ちしております!
博多矯正歯科ってどんなところ?

★博多駅直結!KITTE博多8階★
・裏側矯正専門医 グループ院累計症例数2万件
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平日20:30まで診療しておりますので、お仕事や学校帰りに通院する事も可能です。
また、矯正装置の種類も豊富で外科矯正も対応しておりますので、幅広い症例の治療が可能です。
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