投稿日：2025.9.6
安さだけで選んで大丈夫？矯正費用の仕組みと注意点
目次
はじめに：矯正費用、安い高いに違いはある？
矯正治療について検討されている方は、クリニックのウェブサイトや比較サイトに掲載されている矯正費用をみて、その費用の違いに驚かれたことはありませんか？同じ矯正装置でも、例えば「Aクリニックでは90万円、Bクリニックでは50万円」といったように、提示金額に数十万円単位の違いがあることも珍しくありません。なぜこれほどまでに費用に差が生まれるのでしょうか。
これは、治療費には「治療のゴール設定」つまりどこまで精密に、どの範囲まで治すかという治療の「深さ」が反映されているからです。本記事では、矯正治療の費用が医院によって異なる理由を治療範囲や装置、診断方法といった様々な視点から詳しく解説します。
実際に寄せられるQ&A
当院のカウンセリングにおいても、矯正費用に関するご質問は多く寄せられます。
Q：矯正治療の費用が医院によって大きく違うのはなぜですか？
A：矯正治療の費用に差がある主な理由は、その治療で「どこまで改善することを目指すか」というゴールの違いにあります。
例えば、前歯のガタつきのみを短期間で整えることを目的とする場合、治療範囲は限定的になり、期間も比較的短く済むため費用は抑えられる傾向にあります。
一方で、当院のように見た目の美しさはもちろん、奥歯一本一本のかみ合わせや顎全体のバランスを考慮し、根本的な機能改善を目指す場合は1年半から2年、あるいはそれ以上の期間と高い費用が必要となります。
このように、治療にかける時間と、どこまで精密にアプローチするかによって、矯正費用が変動するとお考えいただければと思います。
治療費が異なる大きな理由は？
矯正治療の費用は、様々な要素が組み合わさって決まります。費用の違いに大きく影響するのは、以下の3つのポイントです。
【治療範囲の違い】見た目だけ vs かみ合わせまで
最も大きな違いが生まれるのが、この「治療範囲」です。矯正治療は、治療の目的によって大きく二つに分けられます。
一つは、歯並びを限定的に整えることを目的とした「部分矯正」です。主に前歯の隙間や軽度のガタつきなど、気になる部分に絞ってアプローチします。動かす歯の数が少ないため、治療期間は比較的短く、費用も安い傾向があります。
もう一つは、見た目の改善に加えて上下の歯が正しく噛み合う機能性までを追求する「全体矯正」です。奥歯のズレや顎関節との調和までを考慮に入れ、歯列全体を動かしていきます。しっかりと治す必要がある分、治療期間が長くなり費用も部分矯正に比べて高くなります。
【装置の違い】表側・裏側・マウスピースなど
矯正治療で用いる装置の種類も、費用を左右する大きな要因です。成人矯正では、歯の表側につける一般的な「表側矯正」、外からは見えにくい「裏側矯正（舌側矯正）」、透明な「マウスピース型矯正」といった選択肢があります。
これらの装置は、使用する素材やメーカー、さらには個々の歯の形状に合わせたオーダーメイド（カスタム性）の有無で原材料費や製作コストが異なります。中でも、カスタム性が高く専門的な技術が求められる裏側矯正（舌側矯正）は、他の方法に比べて費用が高い傾向にあります。つまり、同じ全体矯正であったとしても、装置の選択によって治療費に数十万円の差が生じることも珍しくはないのです。
治療計画の立案方法
治療の質を決定づける「診断」の精度も、費用に反映される重要なポイントです。一般的な検査項目としては、お口の中全体のレントゲン（パノラマX線写真）や歯の型採り、口内や顔の写真撮影などが挙げられます。しかし、より精密な診断を目指す歯科医院では、これに加えて頭の骨格に対する歯の位置や角度を詳細に分析できるセファロ分析（頭部X線規格写真）や、歯の根の状態や顎の骨の厚み、神経の位置などを三次元的に把握できる歯科用CTによる検査を行います。
このような詳細なデータを確認できるセファロやCTなどを用いた分析診断は、最終的な治療の安全性や仕上がりの質に直結し、結果として費用にも反映されるのです。
見た目重視の「短期矯正」が安い理由
近年「短期間・低価格」を謳う矯正治療を見かける機会が増えました。なぜこれらの治療は安価なのでしょうか。その仕組みと、知っておくべき注意点について解説します。
前歯だけの簡易的な部分治療である
安価な矯正治療の多くは、治療範囲を限定した「部分矯正」であることがほとんどです。主に、上下の前歯それぞれ6本程度（犬歯から犬歯）を対象とし、全体のかみ合わせは大きく変更せずに目に見える部分の歯並びだけを整えます。
このように動かす歯の本数が少なく、治療期間は数ヶ月から1年程度で完了することが多いため、費用も最小限に抑えられるのです。
かみ合わせが整わないといったデメリットも
部分矯正は、適応症例を正しく見極めて行えば有効な治療法の一つです。しかし、奥歯にかみ合わせの問題があるにもかかわらず、前歯だけを無理に並べると一見キレイに見えたとしても「以前より噛みにくくなった」「特定の歯ばかりが強く当たるようになった」といったトラブルが生じることがあります。
また、奥歯のかみ合わせが不安定なままだと、並べた前歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起きやすくなる傾向もあり、さらにかみ合わせの悪化によって歯や顎関節に負担がかかる可能性も否定できません。
当院の考え方は機能面まで改善する“トータル矯正”
矯正治療を検討される患者様の目的は様々ですが、博多矯正⻭科 KITTE 博多院では単に歯をきれいに並べるだけでなく、長期的に健康で安定した口腔環境を築くことを最終的なゴールとしています。
治療ゴールは「美しさ × 機能の安定」
正しいかみ合わせや顎関節との調和を考慮した治療は、食べ物をしっかりと咀嚼できるという機能的なメリットはもちろん、顔貌のバランス改善、治療後の後戻りといった再治療のリスクを低減させることにも繋がります。
なぜ時間がかかるのか？
歯は骨の中を少しずつ移動しますが、この動きには生物学的な限界速度があります。
一定のペースを超えて無理に力を加えると、歯の根が短くなったり（歯根吸収）、歯茎が下がったりするリスクが高まります。根本的な改善のために歯列全体を動かすには、この生物学的なルールに則る必要があるため、最低でも1〜2年の時間が必要になるのです。
費用で比較する前に「何を求めるか」を整理しよう
矯正治療の費用は、治療の質や内容と密接に関わっています。だからこそ、費用だけで歯科医院を選ぶことには注意が必要です。
安さだけで選ぶと再治療になるケースも
初期費用が安価であっても、治療計画が曖昧であったり、診断が不十分で治療が計画通りに進まなかったり、中には「思っていた仕上がりと違う」「動かした歯が戻ってしまった」という結果になる可能性があります。
再治療を行うことになれば、結果的に当初の想定よりも多くの時間と費用を要することになってしまうのです。
信頼できる診断と治療ゴールの提案がカギ
後悔しない歯科医院を選ぶためには、費用の比較だけでなく、以下の点をチェックすることをお勧めします。
- 精密な検査を行っているか（セファロ分析や歯科用CTなどを活用しているか）
- 検査結果に基づき、現状の問題点と治療ゴールを分かりやすく説明してくれるか
- 複数の治療法（装置の種類等）のメリット・デメリットを公平に提示してくれるか
- 費用体系が明確か（調整料などが含まれた総額提示か、処置ごとの支払いか）
- あなたの質問や不安に対して、時間をかけて丁寧に答えてくれるか
カウンセリングを通じて、これらの点をしっかりと確認し、ご自身が「信頼できる」と感じた歯科医師のもとで治療を始めることが大切です。
まとめ【治療費は“治療の深さ”で決まります】
矯正治療の費用に医院ごとで違いがあるのは、その価格が治療の目的、範囲、そして品質を反映しているからです。費用の違いは、いわば「どこまで深く治すか」という仕組みの違いとも言えます。
矯正治療は、決して安い治療ではありません。だからこそ、費用という一面的な情報だけで判断するのではなく、ご自身が矯正治療によって「何を治したいのか」「どのような状態になりたいのか」を深く考え、その考えを尊重しつつも安全な治療計画を提案するクリニックを選ぶことが重要です。
博多矯正⻭科 KITTE 博多院では、セファロやCTの検査はもちろん、トータルフィー（総額）制度の導入など患者様が安心して矯正治療を受けられる環境を整えております。カウンセリングは随時受け付けておりますので、矯正治療で迷われている方はどうぞお気軽にご相談ください。
博多矯正歯科ってどんなところ？
★博多駅直結！KITTE博多8階★
・裏側矯正専門医 グループ院累計症例数2万件
・カウンセリング数 年間4000件
日本成人矯正歯科学会認定医在籍！
平日20：30まで診療しておりますので、お仕事や学校帰りに通院する事も可能です。
また、矯正装置の種類も豊富で外科矯正も対応しておりますので、幅広い症例の治療が可能です。
矯正歯科選びに迷われている方はぜひ博多矯正歯科KITTE博多院へお越しください！
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