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投稿日:2022.12.21

受け口(下顎前突)はどうやって矯正するの?治療方法は?

通常、人が歯をかみ合わせた時、上の歯は下の歯より数ミリ前に出ている状態です。
これが反対になると、受け口、下顎前突、反対咬合と呼ばれる状態になります。
受け口の矯正方法は、上顎が前に出ている時の出っ歯とは少し異なります。
受け口の矯正方法について受け口になる原因も含めて解説するので参考にしてください。

受け口とは

3級 咬合

受け口とは歯を噛み合わせた時、上の歯より下の歯が前に出ている状態です。
正常な咬合は、上の歯が前に出ていて下の歯に数ミリかぶっている状態ですが、受け口はこれが反対になっています。
また上の歯が前に出ている上顎前突は、歯だけが前に出ている「歯性の上顎前突」が多い傾向にありますが、受け口(下顎前突)は骨自体が前に出ている症例が多いのが特徴です。

受け口のデメリットやリスク

受け口にはいくつかのデメリット、リスクがあります。

 食物をかみ切りにくい

前歯は食物を大まかにかみ切る役目があります。
しかし、受け口になっていることによって前歯がかみ合ってないと、食物を大まかに噛み切りにくくなります。
前歯が上手く使えないと、食物をするつぶす役割の奥歯で全ての咀嚼を行わなくてはならないため、咀嚼効率が悪く、胃腸の負担になる可能性があります。

発音、構音障害

上の歯と下の歯がうまく噛み合っていないと、間から空気が漏れ、発音や構音に障害が出ることがあります。
特に発音しにくい行は「サ行」「タ行」です。

顎関節の負担になる

受け口の方は前歯が噛み合っておらず、奥歯だけで咀嚼を行うなどするため、顎の筋肉の使い方のバランスが悪くなり、顎関節症のリスクが上がります。

見た目の問題

受け口は叢生などと違って、口を閉じていても分かってしまう歯列不正です。
そのため、受け口は特に見た目のコンプレックスになりやすいのが特徴です。
見た目のコンプレックスはその方の性格や、社会性に影響を与えることがあります。
しゃべる時の発音、構音の問題も合わさると、ご本人にとってはさらに大きな問題となってしまうこともあります。

受け口の原因

受け口の原因には先天的なものと後天的なものがあります。

先天的なもの

例えば目の大きさや鼻の形などが似るように、顎の形も遺伝します。
両親のどちらかが受け口だと、その顎の形を子供がつく可能性があります。
しかし片方からの特性だけを受け継ぐわけではないので、必ずしも受け口になるとは限りません。
遺伝とはいえ受け口になっていく原因もさまざまです。
遺伝的に舌が短くて上顎に押しつける力がなかったため、圧力を上手く受けられなかった上顎が大きく成長しきらなかった、上の歯が生える時に傾きがあり、下顎の位置が前に誘導されてしまったなど、さまざまな特徴や成長の仕方によって受け口になります。

後天的なもの

お口の中はさまざまな筋肉や骨の動きが連動してバランスを取っているため、これらが崩れた状態が続くと、後天的に受け口になることがあります。

口呼吸

鼻疾患などにより口を開けて呼吸していると、上顎の成長が不十分になり、息をする時に十分な酸素が取り入れられないことがあります。
このような時に、気道を広げるために、下顎を前に出して息をする癖がついてしまうと、受け口になります。
また口呼吸をしているとお口が常に開いています。
そのため唇から歯に対してかかる圧力を得られることができず、歯並びが変化し、受け口になってしまうことがあります。
特に口呼吸では、受け口(下顎前突)だけでなく上顎前突も一緒に起こる、上下顎前突になってしまう可能性が高くなります。
このような、お口がぽかんと開いている顔貌をアテノイド顔貌と呼びます。

悪癖

お口に良い影響を与えない癖のことを悪癖と呼びます。
悪癖にはさまざまな種類がありますが、受け口になるリスクのある悪癖は以下です。

 

・舌癖

舌癖

舌を前に出し下の歯を押すような動きをすると受け口になってしまう可能性があります。本来舌の先の位置は、口を閉じた時上顎の前歯の裏側、少し上に当たるのが正しいです。
これ以外の位置に舌があり、特に下に下がっていると受け口になってしまうリスクがあります。
また、舌を前に押し出す癖がある方も注意が必要です。

 

・指しゃぶり

指しゃぶり

3歳を過ぎても指しゃぶりをしていると、受け口になるリスクがあります。

 

・下顎を突き出す癖

時々自分の歯を噛み合わせる位置がどこなのか分かっていないお子様がいらっしゃいます。
このようなお子様で、下顎を突き出し噛み合わせる癖がついてしまうと受け口になるリスクがあります。

受け口の矯正の仕方

受け口は骨格性のものが比較的多いという特徴があります。
子供の頃は顎の骨の成長を利用した矯正方法が可能ですが、大人になると外科的矯正方法をとる必要があります。
軽度なものや歯性のものは通常の歯列矯正で治療ができることもありますが、上顎前突や叢生など、他の歯列不正に比べて、比較的治療が難しい歯並びといえるでしょう。

ワイヤー矯正、マウスピース矯正

かなり軽度なものだとワイヤー矯正やマウスピース矯正で治療が可能なことがあります。しかしワイヤー矯正とマウスピースだけでは動かせない受け口の歯並びも多くあるため、ワイヤー矯正やマウスピース矯正は補助的な役割を担っていることも多いです。

顎間ゴムの使用

3級エラス

上顎と下顎の間に、下顎を奥に引っ張るような形でゴムをかけ、ゴムの力を使って下顎を後ろに矯正する方法です。
受け口では3級ゴムというかけ方をします。
3級ゴムとは上の奥から2番目の歯と、下の犬歯にゴムをかけ、下顎を後ろに引っ張るものです。
このようなかけ方をすると下顎を奥に引っ張る力が強くかかり、受け口の改善につながります。

拡大装置などを使う上顎へのアプローチ

 

顎の成長が途中のお子様は、上顎の成長を促し、下顎の大きさに近づけることで受け口を改善できる可能性があります。
人の上顎の成長点は、正中口蓋縫合という上顎の真ん中の部分です。
この部分に力をかけることによって、上顎の成長を促し、下顎とのバランスをとります。
この部分の成長を促す矯正装置として急速拡大装置などの矯正装置があげられます。
お子様はとても歯が動きやすく、筋肉の使い方なども大人に比べて改善しやすいため、一つのきっかけで、成長した後の噛み合わせが大きく変わる可能性があります。

外科的矯正

成人後の患者様で、重度の骨格性の受け口の場合、外科的矯正の適応となります。
これは美容外科などとも連携が必要な範囲ですが、下顎の骨を割って削りずらしたり、上顎の骨を前に出したりするような手術をして、受け口を直す必要があります。
顎間ゴムやワイヤー矯正、マウスピース矯正ではその方の輪郭の変化はありませんが、外科的矯正方法を行うと輪郭の変化があります。
当院で行っているサージェリーファーストでは外科手術を先にして歯列矯正を行うもので、期間が通常の外科矯正より早く終わるのが特徴です。

まとめ

受け口には軽度から重度のものがあり、また分類も歯性と骨格性に分かれています。
その分類や重症度によって治療方法が大きく変わるのが受け口です。
治療方法にはワイヤー矯正やマウスピース矯正、顎間ゴムを使って力をかけるもの、拡大装置や拡大床などの使用、外科的矯正などの方法があります。
その方の下顎の状態によって治療方法が違うため、希望の治療法で治療ができないことがあります。
受け口でお悩みの方はまず歯科医に相談し、自分の症状がどのような治療の適応なのかよく知ってから治療に進む必要があります。
でお悩みの方は是非1度当院にご相談ください。

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