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投稿日:2022.6.13

大人の矯正にかかる期間はどのくらい?

皆様こんにちは!博多矯正歯科です。
本日は「大人の矯正にかかる期間」についてお伝えいたします。
一般的な歯科治療に比べて「矯正治療は長い期間がかかりそう…」というイメージを持たれている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
患者様からもカウンセリングの時に矯正期間についてご質問を多く頂きます。
大人の矯正治療と小児矯正は治療の方針が違うため、矯正治療にかかる期間が違います。
今回は、矯正治療の期間についてのこと、矯正治療をできるだけ早く終えるために大切なことなどをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

大人と子供で違う歯科矯正に必要な期間

子ども 矯正

矯正治療の期間は、子供の治療期間に比べて大人の方が短くなります。
成長期の子供と大人の場合では治療の方針が異なるためです。
小児矯正の場合には、成長期に合わせて「1期治療」と「2期治療」があります。

【小児矯正】

1期治療

乳歯が全て永久歯に生え変わるまでの6歳〜12歳頃に行う矯正治療です。
正しい顎の成長を促し、きちんと歯列が並ぶスペースを作ることが目的の治療です。
2期治療

永久歯が生えそろった後の、12歳~20歳前後までに行う矯正治療です。
成人矯正とほぼ同じですが、1期治療で誘導できなかった部分を改善させます。
小児矯正は1期治療からスタートした場合も13歳頃まで治療が続きます。
1期治療のみで終了する場合もありますが、歯並びの状態によって2期治療に移行する必要があれば治療を継続します。
小児矯正は、お子様の顎の成長に合わせて歯列を整える必要があるため、早く終わらせるということはできません。

大人の矯正治療に時間がかかる理由

大人 矯正

矯正治療を終えるまでに、時間がかかる2つの大きな理由があります。
「歯を少しずつしか動かせないこと」と、「動かした歯を定着させる必要がある」ということです。この2つの理由について詳しく解説します。

①歯や周囲組織に悪影響を及ぼさないため

歯や、歯を支えている歯槽骨は、肌と同じように「骨代謝」という新陳代謝を毎日行っています。
骨代謝とは、古くなった骨が破骨細胞によって吸収され、骨芽細胞によって新しい骨に再生する代謝を繰り返していることです。
矯正治療は、この骨代謝を利用して歯を動かしていきます。
矯正治療で一定方向の圧力をかけると、歯の周りにある歯根膜が伸び縮みして、歯を支えている歯槽骨が吸収されますが、ゆっくりと圧力をかけることで再生(骨添加)させながら歯を動かしていきます。
無理に強い力をかけてしまうと、歯や歯周組織に過剰なダメージを与えてしまうリスクがあるため、ゆっくりと時間をかけて歯を動かす必要があります。

2.保定期間が必要なため

保定期間とは、矯正治療で動かした歯を定着させるための期間です。
ワイヤーやマルチブラケットなどの矯正装置を全て外した後、取り外し式の保定装置を装着します。
矯正治療で動かしてすぐの歯列は、不安定なため元の歯列に戻ろうとする「後戻り」を起こすことがあります。
歯並びの「後戻り」を防ぐために、矯正治療後の保定はとても重要な工程です。
後戻りが起こるとせっかく時間をかけて動かした歯並びが崩れてしまいます。
歯並びが安定するまで、保定の期間は矯正治療と同程度の期間がかかりますが、保定期間が終わった後も保定装置を使い続けた方が良い場合もあります。

大人の歯科矯正の平均的な治療期間

大人の歯列矯正の平均的な治療期間は約1年〜3年程度です。
しかし、矯正治療の方法やお口の状態、年齢によって治療にかかる期間には個人差があります。
重度の不正咬合の場合や、虫歯や歯周病の治療期間が長くなる可能性があります。
他にも、舌癖や歯ぎしり、食いしばりなどの悪癖がある場合も、ワイヤーの動きを妨げたり、装置が外れたりする原因になるため注意が必要です。
一方で、軽度〜中程度の不正咬合で、大きく歯を動かす必要がない場合や、年齢が若い方は歯が動きやすいため、数か月で治療が完了することもあります。
また、男性よりも女性の方が歯を動かしやすい傾向もあります。

矯正期間の長さを決める5つの要素

上記でもご紹介した治療の期間に影響がある要素について詳しくご説明します。

(1)歯並びの状態

歯並びのデコボコが重度である程、歯の移動距離が長くなることや、抜歯が必要になることもあり、必然的に治療期間が長くなります。
軽度の歯列不正であれば、部分的に治療を行う「部分矯正」を選択できることもあるため、数ヶ月程の短期間で治療が完了することが可能です。

(2)歯と歯ぐきの状態

お口の中に虫歯や歯周病がある場合はそのまま矯正治療を始めることはあまり好ましくありません。
矯正治療の最中に虫歯や歯周病が悪化してしまうと、痛みや腫れが原因で矯正治療を中断せざるを得なくなり、矯正期間が長引いてしまいます。
特に、大人の矯正治療は歯周病がある状態で進めてしまうと、さらに炎症が悪化してしまうリスクがあります。事前に虫歯や歯周病を治して口内環境がコントロールされていると、矯正治療もスムーズに進めていくことができます。

(3)装置を着ける頻度や時間を守る

矯正治療では取り外し式の装置があります。「マウスピース」や、上下の噛み合わせを調整する「顎間ゴム」などです。患者さんがご自分で使用する必要があるため、付け忘れがあったり、装着時間が少なかったりすれば歯を動かすための十分な力がかけられません。
また、顎間ゴムの場合は伸びたり劣化するのでこまめに交換が必要です。
取り外せるタイプの装置は、医師の指示通りに使用方法や使用時間を守って正しく使って頂く必要があります。

(4)矯正治療を妨げる癖

不正咬合は舌癖や、歯ぎしり・食いしばりなども原因になることがあります。
舌癖は舌が前に出てくる癖や、安静時に下顎に落ちている低位舌などがあります。
このような歯並びを悪くする癖は、矯正治療中に矯正装置が歯を動かすことを妨げたり、装置が外れてしまうことにも繋がります。

(5)歯科医師の調整方法

矯正治療では、治療方針に沿って装置を調整することで歯を移動させます。
歯科医師の調整方法によっては歯を動かす力の強さが変わるため、歯を動かす速度にも違いがあります。

大人の矯正期間を短くするには

大人の歯の矯正をできるだけ早く終わらせるためには「歯科医師の指示に協力すること」がとても重要になります。

  • 決められた頻度で通院すること
  • 虫歯・歯周病を防ぐためにセルフケアを丁寧にすること
  • 取り外し式の装置は医師の指示通りに時間や方法を守って使用すること
  • 舌癖や歯ぎしりを改善するように注意すること

矯正治療を進める中で、可能な範囲で上記の注意点を守って頂くことで治療を滞りなく進めることができます。
また、装置が外れた時や、痛みなどの不具合を感じた時にはできるだけ早く伝えて頂き、早急に対処することも大切です。お困りのことがある時は、いつでもご相談ください。

デジタル矯正

スキャン 矯正 博多矯正歯科

当院ではデジタル矯正を採用しております。デジタル矯正では治療前に行う精密検査のデジタルデータをもとに、歯列矯正のシュミレーションを作成します。
シュミレーションをすることで、歯の移動距離や、抜歯の必要性などを検討し、歯科医師がゴールまでの治療計画を立てます。
また、歯の矯正にかかる期間をだいたいの予想をすることもできます。

※小児矯正は行っておりませんのでご注意ください。

まとめ

今回は大人の矯正治療について、治療にかかる期間についてお伝えしました。
治療期間は、1年〜3年程度はかかりますが、無理なく歯を動かすためには相応の時間が必要になります。
歯の動きには個人差があり、その方によって期間は変わる場合もありますが、治療の計画に沿ってスムーズに治療を進めるためには、患者様の協力も必要です。早く治療が進められるように一緒に頑張りましょう。
治療期間が気になる方は、ぜひ一度、カウンセリングにお越し下さい。